医療ソーシャルワークの学習ノート

 

医療領域

医療圏

1次医療圏

市町村単位。かかりつけ医によるもの。

2次医療圏

複数の市町村。救急医療までが完結する。(精神、感染症、結核以外の全て)

3次医療圏

都道府県単位。専門的(精神、感染症、結核)で先進的な医療を提供する。

BPSモデル

バイオ・サイコ・ソーシャルの3側面からのモデル

ヤングケアラーの年齢的定義

18歳未満、家族に対して介助・介護を日常的に行っていること

(診療報酬・入退院支援加算より)

LIFEの三層モデル

医療の視点①生命②生活③人生

福祉の視点①人生②生活③生命

世帯構造

全体:夫婦と未婚の子>単身(増加傾向)>夫婦のみ

65歳以上:夫婦のみ>単身(増加傾向)>夫婦と未婚の子

保健医療サービスの目標

医療法第一条:「~医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき~」

医療法

病院、診療所、助産所の開設、管理、整備の方法を定める法律

病床機能報告制度

高度急性期、急性期、回復期、慢性期のどの機能を病棟が持つか、毎年都道府県知事に報告するもの

高度急性期:診療密度が特に高い医療を提供する

急性期:状態の早期安定化(完治ではない)に向けた医療を提供する

回復期:在宅に向けた医療とリハビリを提供する

慢性期:長期にわたる療養が必要な患者を入院させる機能

医療倫理の四原則

  • 自立性尊重の原則
  • 無危害原則
  • 恩恵原則
  • 正義原則

※似ているが、無危害原則は常に、恩恵原則は何かするときに、考慮される

医療倫理の歴史

年号名前内容
紀元前5世紀ヒポクラテスの誓い古代ギリシャの医師が定めた医療提供者の倫理
1947ニュルンベルク綱領ナチスドイツの人体実験についての判決で決定
1948ジュネーブ宣言ヒポクラテスの誓いを現代化した、医療の倫理に関する規定。「ウェルビーイング」の概念を導入
1964ヘルシンキ宣言人体実験・人を対象にする研究の倫理的原則。(ニュルンベルク綱領の医学会側の対応)
自己決定権、インフォームドコンセント、本人の同意を得るべき等を明文化
1981リスボン宣言患者の権利に関する規定。

インフォームド・コンセント(説明と同意)

患者に適切な説明を行い、理解を得て、同意を得ること。

正しく理解できているか確認を行う必要がある。また、複数の選択肢がある場合にはメリットデメリット、治療を受けない場合の結果、等

※前提:患者を権利主体と見なすこと

意思決定の4モデル

モデル名内容
パターナリズム医師が治療方針を決定する
インフォームド・コンセント患者本人の同意なしに治療を行うことは倫理的に許されない
インフォームド・ディシジョン患者自らがサービスを選択・決定する。医師の勧める適切な医療ではなく、患者が求める医療やケアを行う
シアード・ディシジョン・メイキング(SDM)医療者と患者が協働して医療上の意思決定を行うプロセス
地域包括ケアシステム等を踏まえて発展する。

インフォームド:正しい理解

コンセント:同意

ディシジョン:決定

シアード:共有

人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン

延命治療への対応を在宅医療・介護に拡大、チームに介護従事者が含まれると明記

信頼出来る者が家族→家族等、へ。

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)

今後の治療・療養について患者・家族”等”と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス

(ACPは繰り返し行われるプロセス)

アドバンス・ディレクティブ

終末期医療における治療のあり方に関する患者の希望。特に延命医療の拒否に関する意思を事前に示しておくもの。

リビングウィル:生命の危機に陥った際に、どんな医療をするか、しないかを示す文書

蘇生措置拒否(DNAR):心肺蘇生を望まないことを医師の指示として、カルテや所定の文書に記録するもの。

※DNRは、蘇生の可能性があるがあえてしないこと。DNARとは異なるもの。

疾病構造の変化

疾病構造説明
人口転換多産多死から多産少死、やがて少産少死への転換
疫学転換感染症主体(周産期・結核)から非感染症主体(ガン・生活習慣病)への変化
健康転換脳血管疾患・心疾患等の循環器系疾患や悪性新生物による死亡率増加。保健医療制度や社会経済状況等に影響を受けた疾病構造の変化(生活習慣病のまん延等)。
退行性疾患遅延非感染性疾患(退行性疾患)が慢性化し、死亡が遅れたことによって、平均寿命(健康寿命ではない)が伸びていく

※退行性疾患:身体を衰弱させる疾患(ガンや糖尿病等)

※生活習慣病は社会経済状況等の構造的な問題。個人の責任ではない。

5疾患・5事業

二次医療圏で完結することが求められる医療機能

5疾患

  • ガン
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 糖尿病
  • 精神疾患

5事業

  • 緊急医療
  • 災害時における医療
  • へき地の医療
  • 周産期医療
  • 小児医療

※新興感染症等の感染拡大時における医療、が六事業に入る予定

※その他、都道府県知事が特に必要と認める医療

基準病床数

  • 地域に病床をどの程度整備するか、という目標的性格
  • 病床の増加を抑制する、という規制的性格

※ただし、病床過剰地域でも都道府県知事は厚労省大臣の同意を超えた許可を与えられる。

保健医療の運営

国ー制度の整備

都道府県ー医療計画の策定(医療提供体制確保への責任)

保健所の役割

対物保険サービスー食品、生活

対人保険サービスー感染症、母子保健

国民医療費ー約44兆円

医療の提供体制の根拠法

医療法

第一条の1ー医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与する

第一条の2ー生命の尊重と個人の尊厳の保持〜医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携

医療事故

判断は医療機関の管理者(医師)

報告は減少傾向

医療提供施設の分類

医療機関医療提供施設開設に都道府県知事医療法が根拠法介護保険法が根拠法
病院、診療所病院、診療所、老健、介護医療院、薬局、助産所病院、診療所、老健、介護医療院、薬局病院、診療所、薬局、助産所老健、介護医療院

※児童福祉法が根拠法なのは「助産施設」

病床の種類

  • 精神病床
  • 感染症病床
  • 結核病床
  • 療養病床
  • 一般病床

病院の類型

  • 特定機能病院
  • 地域医療支援病院
  • 精神科病院
  • 結核病院
  • 地域医療支援病院ー知事の承認
  • 臨床研究中核病院ー厚労相の承認
  • がん診療連携拠点病院(がん医療の均てん化を目的とする)
  • 救急救命センター(3次救急(緊急性・専門性が高い)を担う。2次救急は輪番制・救急病院、1次救急は当番医・休日夜間診療所)
  • へき地医療拠点病院(根拠:へき地保健医療計画、都道府県が行う)

※無医地区:中心部から4km以内に50人以上が生活するが医療機関が無い

  • 災害拠点病院:24時間対応可能な救急体制、DMATの派遣機能、広域搬送、高度診療

病棟の類型

地域包括ケア病棟ー1日2単位(基準に在宅復帰率7割以上とある)

回復期リハビリテーション病棟ー1日最大9単位、効果が弱い場合は6単位までの出来高算定へ

特殊疾患について

難病申請の窓口は保健所

身体障害者手帳の申請は福祉事務所

緩和ケア病棟=痛みや辛さを和らげる病棟。

※ホスピスではないため、終末期に限らない

診療所について

診療所=19床以下

 機能強化型在宅療養支援診療所

単独型と連携型がある。常勤の医師、緊急往診の実績、看取りの実績で指定される

被用者保険の概要(領域重複)

労使折半で、標準報酬月額に基づく保険料。

国民皆保険の実現は1961年

医療保険の給付は下のように別れる

  • 法定給付
  • 付加給付(協会けんぽにおける独自の高額療養費制度など)

法定給付は下のように別れる

  • 医療給付(療養の給付、現物給付)
  • 現金給付(傷病一時金、出産一時金)

医療給付

医療給付に含まれる様々な費用:入院時食事療養費(一般患者の標準負担額)、入院時生活療養費(65歳以上)、保険外併用療養費(評価料、患者申出療養、選定療養)

保険料支出の仕組み(領域重複)

前提:保険診療と保険外診療の併用は不可

例外:先進医療、差額ベッド代、金歯、選定療養費(大病院の初診)、患者申出療養)

公費負担の療養費について

公費優先の公費負担=全額を公費負担

  • 戦傷病者の療養と更生
  • 原爆被爆者
  • 新興感染症の入院医療
  • 医療観察法の対象者

保険優先の公費負担=医療保険適用後の自己負担分を公費負担

  • 障害福祉
    更生医療(18歳以上)と育成医療(18歳未満):身体不自由、視覚障害、内部障害の改善を目的とした疾患(手帳の有無ではなく疾病の種類と治療の内容が大切)
    精神通院医療:(向精神薬、精神科デイケアなど)
  • 児童福祉
  • 難病
  • 公衆衛生
  • 国家補償・健康被害
  • 公的扶助

※公費負担医療は申請主義

診療報酬

1点10円、改定は2年に一度、中医協が審議して決定。

出来高払い方式と包括払い方式(DPC制度)がある。

介護報酬(領域重複)

1単位の価格は地域と区分で変化、改定は3年に一度。

チーム医療

  • マルチ・ディシプリナリチーム型:医師を中心として各専門職が別々に活動する
  • インター・ディシプリナリチーム型:チームがニーズを中心に活動する(コンフリクトが生じる)
  • トランス・ディシプリナリチーム型:役割交替、業務拡大等を行って活動する

三つのチームワークモデル

チームに求められる機能

  • タスク機能:多職種の参加による活動推進の機能
  • メンテナンス機能:チームを維持する機能
  • チームコンフリクトの調整機能
  • チームコンフリクトのマネジメント機能

医療ソーシャルワーカー業務指針

病院等の保健医療の場において、社会福祉の立場から患者の抱える経済的、心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る。

2ー4:受診受療援助は「医師の指示を受けて行う」とある。MSW特有の記述。

医療ソーシャルワーカーの歴史

年号内容
1905英国COSの病院にアルマナー配置
1905伽ボット医師がソーシャルワーカーを配置
1919泉橋慈善病院の病人横断所
1926済生会本部に済生社会部設置
1929聖路加病院に浅賀ふさ配置
1947杉並保健所に医療社会事業係配置
1958保健所における医療社会事業の業務指針策定
1983老人保健法に基づく診療報酬に退院時指導料創設(MSWの記述)
1987社会福祉士及び介護福祉士法
1989MSW業務指針の策定
2000介護保険法
2002MSW業務指針改定(退院支援が明示)
2006退院時リハビリテーション指導料に社会福祉士が必置に。
2006社会福祉士養成課程の実習施設に医療機関が含められた

政策医療

国民の健康に重大な影響のある疾患に関する医療など、国の医療政策として担うべきいりょう。

19分野が指定されている(がん、循環器病、精神疾患、神経・筋疾患、成育医療、腎疾患、重症心身障害、骨・運動器疾患、呼吸器疾患、免疫異常、内分泌・代謝性疾患、感覚器疾患、血液・造血器疾患、肝疾患、エイズ、長寿医療、災害医療、国際医療協力、国際的感染症)

国立高度専門医療研究センター:医療の調査、研究、技術開発、医療の提供、技術者の研修等

国立病院機構:5疾患5事業、神経難病、重症心身障害、感染症、医療観察法、災害、といった分野のセーフティネット

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