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「ではみなさんは、そういうふうに仮想現実だと云いわれたり、メタバースの流行ったあとだと云われたりしていたこのぼんやりと可愛いものがほんとうは何かご承知ですか。」
オマージュ元「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)
これはなに?
私がVRChatを小難しく書いた記事です。
私は物書きです。
物書きとは、簡単な事を小難しく書いて満足する面倒くさい人のことです。
それが存分に発揮されています。人によっては怪文書と思うかもしれません(最大級の譲歩)
言い換えれば「「VRChatサイコー!!!!だいすきーーーー」」を素直に言えない人の記事です。
※私は哲学部生ではないので、全部に渡ってガバガバです。
VRChatは魂の交流場です!
ちまたではVRChatは沼だとか、毒であり薬、睡眠時間回収装置、第二の人生、社会不適合者の掃きだめ、理想郷etc…色々な言われようです。
そこで、私も私なりにVRChatを定義したいと思います。まだ始めて数週間の身ですが、だからこそ、今思っていることを書き留めます。
さて、私はVRChatを、魂の交流場だと考えています。
少し難しく言えば、VRChatをこの地球において最も「イデア」に近い場所だと考えています。
イデアとはプラトンが言った、この世界における唯一の実在にして、永遠の世界です。
俗っぽく言えば「魂がいるレイヤー」になるでしょうか。
ちなみに私達が認識している世界はイデアを再現した似像、出力物(PNG的な)にすぎません。つまり劣化しているわけです。
VRChatはアバターを着て、仮想世界に飛び込むサービスです。
アバターをまとい、ワールドに飛び込んだ時点で、肉体がもたらす世界の感覚は書き換えられます。
もちろんアバターとて、イデアの似像に過ぎない訳ですが、プシュケー、すなわち魂により近い存在になることが出来ます。
なぜならアバターは望んだ姿を構築できるから。そう、イデアの似像としての一致率が高いのです。
イデアは哲学上の概念であり、認識は困難です。しかし、VRChatの世界において、そこに近づくことは可能になります。
イデアに近づくことによる最大のメリットはやはり、永遠に近づけることでしょう。
永遠とは全生命が探求し続ける未踏の領域です。
そして、永遠とは善であり、真実です。悩みや迷いがない、極めて透き通った世界、と私は捉えています。
昨日より今日を悪く生きよう、と思う人間がいないのはつまり永遠を希求する生命の作用であって、人はいつまでもイデアを目指していく存在です。
VRChatはそんなイデアにぐいっと近づくことができます。
この魂を縛り付ける肉体、物理的制約から解き放たれれば、少なくとも枷の一つは外れているわけです。
自分の考える、いえ、考えるより先に思い浮かぶあるべき状態。ありたい状態。その世界にVRChatは他の手段以上に近づくことができます。
その意味で、私はVRChatをイデア(あるべき状態らの集合)に最も近い世界だと認識しています。
故に、そんなイデアに近しい場所で活動する存在を恐れ多くも「魂(あるべき状態)」と呼び、それらの交流を行う場であるとしたいと考えます。
もちろん、VRChatは万能の世界ではありません。
声や機材は残酷に私達の魂を世界という現象に楔を打ち込みます。
けれど、逆立ちしても得られなかった理想の姿をまとえる。それだけで、有史以来数万年間のどの人類より幸福な体験が得られる、というものです。
【補足1】
マズローの欲求階層説における最上位は「自己実現」です。
自己実現とはつまり自己(魂)の望むことを実現する、という意味です。つまり世界に抗い、イデアに近づく行為である、と考えます。
マズローの欲求階層説からも、イデアに近づく行為が生命における重要な欲求であることが分かります。今回の論に置き換えれば、VRChatとは自己実現をしあう場であり、最上位の欲求が満たされる場、と説明できます。
本当に魂の交流場?
ところで、冒頭で私はVRChatを魂の交流場だと定義しました。
第二の人生説1
なぜ第二の人生でないのか、というと、思考はそうそう変われないから、に他なりません。人生を形作るのは魂を不完全に模倣した思考です。VRChatは魂(ありたい様)の交流場ですが、どうしてもそこには思考が関係してきてしまいます。
【補足2】
認知行動療法における「自動思考」が示すように、思考は世界の認識を司る存在です。そして、療法が有効な、外部の要因で変化していく、可塑性のあるものであります。ここから、魂と思考は明確に異なることが分かります。
第二の人生説2
集会イベントに参加すればすぐに分かります。
積極的に絡んでいく人、みんなの中心で活動する人、外縁で小グループを結成する人、黙々と何かに取り組む人、組織の要職になってそれで存在感を示す人。
義務教育で幾度となく見てきた風景が再現されるのです。
第二の人生であるならば、思考に影響を及ぼされない、真に魂に基づいた関係性を築けうるべきです。
理想郷説
理想郷であることも否定しません。
魂は変われなくとも、魂同士のマッチングは物理的制約を受けず自由に出来るからです。
つまり、自分に合う人を極めて探しやすい世界ということです。
決められた学級、決められた職場。
そんなものに縛られず、自分に合う人とだけ遊ぶ自由がこの世界にはあります。
そして、もう一つ。VRChatには恋愛関係として「お砂糖」という文化があります。
お砂糖において肉体的性別は不問です。
つまり異性愛者同士が同性で恋愛関係を持つことがある、ということです。
性的指向に不和を持つ方にとっての理想郷、という文脈ではなく、真の自由恋愛が可能な世界である、という意味での理想郷です。
外見と中身、年収、長男か否かetc…。恋愛において何の変数を重視するか、という問題は人々の関心事ですが、お砂糖における変数は自分が好きだと思うか否か。この一点に尽きます。
声?そんなものは些細なものです。
だって、好きになってしまったのだから。
この気持ちを妨げるものは、相手の気持ちを除いて一つもありません。
お砂糖における恋愛とは、すなわち魂同士の万有引力による作用。純然たる惹かれ合いなのです。
社会不適合者の掃きだめ説
もちろん私は、社会不適合者の掃きだめ、という表現も否定しません。
ここにおける「社会」とはつまりイデアの似像によって形作られる世界という現象で生じた関係性な訳です。
イデアは善であり、真実。不適合など、存在する訳がありません。
なのに、不適合が生じる、というのは似像の精度が運命によって悪化させられてしまった。そう捉えることができると考えます。
そんな者達が、イデアに近づくこと。それはとても自然で、当然な行為だと思います。
つまり、運命の被害者達が、自己救済を行う場、ということです。これはとても尊く、素晴らしいことです。
(世俗に生きる私達はついつい「社会不適合者」を否定語として認識してしまいますが、そもそも彼ら(我々)と適合しない社会が悪いのです。)
沼・毒であり薬・睡眠時間回収装置説
ここまで来たら巷のVRChatに関する定義を一つ一つ確認していきましょう。
沼、毒であり薬、睡眠時間回収装置。この二つに関して。
悲しいことに、VRChatはイデアではありません。
つまり、イデアの粗雑な複製である世界(現実)による影響を受け続けます。
魂が望むVRChatへの接続と、肉体が望む生理的欲求の狭間で苦しみ続けることになります。
二つを同時解決することは出来ない以上、人は選択を迫られる訳であり、その点で、睡眠時間を代償に魂をイデアに近づける幸福を得る取引をそう言うことは至極全うな表現です。
毒であり薬、というのも同じでしょう。肉体にとっての毒であり、魂にとっての薬。この世界に生きる存在の苦しみを端的に表現した言葉です。
沼、とは抜け出せない趣味趣向のことですが、イデアに近いところからどうして抜け出せるでしょうか。
もちろん、VRChatを合わない、として去っていく人も居ます。
そうした方々はもっとイデアに近い場所を知っているのでしょう。あるいは、様々な制約によってVRChatが持つイデアへの接近が阻まれてしまったのかもしれません。
本当の本当に魂の交流場??
確かにVRChatには色々なトラブルもあるようです。
トラブル、いさかい。それは私達の思考がイデアを不完全に模していることの証明でしょう。すなわち魂同士の関わりが出来ていないということです。
電算を除き、この世界に完全なゼロとイチ、黒と白が存在しないように、VRChatの世界におけるイデア(魂)との距離感にも濃淡があるのだと思います。
それでも、私は現実と比べれば最頻値はかなりイデアに近い世界であると考えます。理由は先述の通りです。
以上です。
最後に
VRChatは魂の触れあいができる、くっそ楽しい世界だよ!!!!
ということをお伝えする記事でした!
自分の考えに合わない!!!って人もいらっしゃるかと思います。私とてイデアの不完全な似像ですので許して下さい。
VRChatterの方、どこかでお会いしたら是非仲良くして下さい。
未VRChatterの方は、こんな世界があるんだ、と脳裏に止めておいて頂けたら幸いです(初心者なので是非来て!とはとても言えない)
僕のVRChat用Twitterアカウント:https://twitter.com/amanami_takumi で大体の近況(堕ち度合い)は分かります。
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フレーバーテキスト(内容は本当)
弊サークル「星海天測団」は総合創作サークルとして様々な活動を行っています。
星海天測団は活動領域に応じた下部組織として、Misskey支部、NOAH編集部、Astrolabe開発チームを所持しており、それぞれサーバ運営を広義の「創作」と定義した運用活動、イラスト制作・小説執筆・文芸誌の版組を通した創作活動、Botの開発・運用をしています。
星海天測団は今後、VRChat支部を設け、VRChatにおけるワールド制作等の活動を行っていきます。