2024年1月VRC同期会のこれまでとこれから

VRChat

忘れる前に書いておきます。

最初に

 これは2024年1月VRC同期会の主催が勝手な認識です。VRChatの遊び方や部活動のあり方はメンバーそれぞれが決めていくもので、当然、運営が干渉することはありません。全てのメンバーのあり方を私は尊重し、敬意をもって、接します。そして、可能な全てのサポートを行います。

使命:VRChatのサービス終了時まで1月同期会を存続させる

 同期会は、コミュニティであり、居場所です。
 心理的な安全が確保された居場所を喪失する、という経験はメンバーの人生にすら影響を与えると考えています。その点で、同期会の消滅は許されません。何があっても続ける。続け続けることこそ、最も大切な活動だと考えています。

 コンセプトを持つことも、理念を定めるのも、価値提供と利益享受で考えるのも、部活動を発展させることも、全ては「存続させる」ためです

 存続させるのは「2024年1月にVRCを始めた人達の集まり」ではありません。
 『2024年1月VRC同期会』です。私達が楽しいと思っている、いま、まさに存在している空気感や雰囲気、関係性。これら全てを最後の瞬間まで楽しめるようにお手伝いすること。それが、私が同期会の主催を務めさせていただく上での使命であると考えています。

運営コンセプト:C2Cによるコンテンツ提供体制の確立

 メンバー同士でコンテンツを提供し、消費しあう関係を早期に確立し、維持していくことが必要だと考えています。これは後述しますが、同期会第3期に備えてイベントの企画・立案・運営能力をメンバーそれぞれが確保し、洗練させていくために欠かせないものです。
 全てのメンバーが何らかのコンテンツを生み出す存在になることができれば、1月同期会自体がVRChatにおけるコンテンツ生産・提供者となることができ、長期にわたって確固たる地位を得ることができるはずです。

理念:誰一人取り残さない、持続可能な運営

 Quest対応、無言勢対応を最後まで継続します。もちろん、合理的配慮の範囲で、ということにはなりますが、少なくとも同期会イベントでこれを崩すことはないことを宣言します。
 理由として、私の個別の心情を抜きにすれば、QuestユーザこそVRChatの持続的な発展を支える存在だからです。より具体的に述べるとすれば、日本市場における未開拓のVRChatterはQuest/Androidユーザであるため、尊重されるべき存在であるためです。
 各種活動を行っていく上で、Questユーザの対応に慣れることは将来にわたって必要な努力であるはずです。
 次に、無言勢対応です。こちらも個別の心情を抜きにすると、無言勢もVRChatの文化として尊重されるべきであるからです。
 1月同期会としてVRChatコミュニティに行える最初の貢献こそ、既存の文化への尊重であると考えます。
 
 いずれにせよ、誰一人取り残さないことは、自分が取り残されないことでもあります。
 安心感の提供は、運営が行う最も原則的で、最も重要なインフラであると考えます。信頼とも言い換えられる関係こそ、同期会と運営が信託され各種部活動が活発に活動していく礎になるはずです。
 それはまさに、持続可能な同期会の運営に直結します。

価値と利益:VRChatコミュニティに対する貢献と還元

 初心者時代のVRChatterはVRChatにおける純然たる消費者です。それは同期会という組織であっても同様です。
 もちろん、消費者は全ての社会活動の推進力であり、非常に重要な役割です。
 一方で、消費というのは先達が作り出した果実を味わうことでもあります。我々は後進に何らかの果実を託すことが求められます。
 それは、1月同期会が存在する理由にもなっていくのではないかと思います。
 自分たちのために始めたものが、誰かのためになる。この経験を多くのメンバーが経験することで、1月同期会の結束はさらに強くなると信じています。
 コミュニティに対する貢献とは、つまり私達が楽しみ良いと感じた全てに対して理解し、維持し、発展させ、開発していくことです。
 具体的には、初心者案内、ギミックの開発、イベントの運営、ワールドの公開、積極的な会話、他者を尊重する雰囲気、お砂糖・V睡・撫で等の文化などを挙げたいと思います。

 (つまりVRChatをそれぞれが望むように楽しむこと、ということです)

 そして、こうした価値の提供によってメンバーは、他者への貢献、目標や目的の共有、という経験を利益として得られます

補足

 もちろん、こうした過ごし方はVRChatの数ある楽しみ方の一つであることは申し添えておきます。『誰一人取り残さない』とは、24時間オレンジステータスでひっそりと楽しむメンバーも受容し尊重することだと考えています。

これまでとこれから

 1月同期会は今日に至るまで、複数の期を経験してきていると考えています。
 その期に従って振り返りをしていきます。

第0期

期間:主催決定後~第1回同期会イベントまで
課題:内部統制の確立、コンセプトの確定
目標:安定した運営体制の確立、組織化の達成
行動:スタッフへ運営コンセプトの提示、Discord・公式Googleアドレスの整備

 各同期会を比較した時に、1月同期会は主催に権限が集中する体制となっています。
副主催による助言を受けながら各種決定を下しており、同期会スタッフは主催・副主催による運営の協力メンバーという位置づけになっています。
 これは、特定のメンバーによる各種権限の簒奪を予防すると共に、迅速な組織運営を行うためのものです。
 コミュニティの形成期は時間単位で物事が動いていきます。その中で、素早く展開をしていくためにこうした体制を作りました。
 組織化という目標は、運営という意味では未達ですが、イベントの運営という面ではスタッフに委託する場面もあり、一定の達成を迎えている、という認識です。

第1期

  • 期間:第1回同期会イベント~第2回同期会イベントまで
  • 課題:部活動の育成、同期会のアイデンティティ構築
  • 目標:VRChatの定着率を向上させる
  • 行動:運営発部活による部活ロールモデルの構築、インフォーマルなアプローチによる部活設立の促進

 1月同期会は部活動が盛ん、変わった部活がある、ヤバイ人が多い。。こうした認識がメンバーの内外で共有されているのは、まさにアイデンティティの構築に成功した証拠だと考えています。
 そのアイデンティティの構築は、部活動によって達成された側面が大きいです。
 偶然とはいえ生まれたサイゼ部は1月同期会に多大な貢献を頂いていますし、Unity部やV睡部は同期会の基礎を堅実に固めてくださっています。
 VRChat日本コミュニティという大海から見れば1月同期会は極小ですが、それでも350人のメンバーを持っています。そうした大きなコミュニティの中で部活動は顔の見える関係を作る最良の方法となっています。
 また、ニッチな趣味趣向を部活動を通してマッチングできる点もあります。ニッチである、ということは1月同期会のその部活動に希少性が生じる、ということでこれもVRChatの定着率に寄与させられるのではないかと考えています。
 始めた時期が1月も差がある、という状況で部活動によって外縁に取り残されたメンバーを中心に引き入れる。そして1月同期会というアイデンティティを持って頂く。これは遠回りでも、着実に同期会のアクティブユーザ数の確保に繋げられると考えています。

第2期

  • 期間:第2回同期会イベント~ハーフアニバーサリーまで
  • 課題:倦怠期の対応、内部崩壊する部活の対応と立て直し、他同期会との交流
  • 目標:VRChatの定着率維持、部活の体制確立、ハーフアニバーサリーの戦略的成功

 VRChatをはじめて3ヶ月経ったり、Trustedまで登り切ったり、1000時間を迎えたり、といったように一通りの遊びを経験し、区切りが多く訪れる時期であります。
 これまで、堅実な運営を続けてきた1月同期会の正念場であると考えています。
 一部の部活ではバブルに似た急速な拡大の反作用として、立て直しを必要としているところがあります。主催・副主催が介入と助言を行うことで、部活の運営体制や告知方法の改善を行ってより安定した体制にさせられるのではないかと考えています。
 また、部活動を活発させる意味でも、他同期会との交流が課題となります。直近では某同期会との交流イベントを計画しているところです。
 2~4月同期会が続々と発足する中で、1月同期会として行うべき対応もある文脈を捉えながら一歩一歩進んでいます。

 最終目標はハーフアニバーサリーの戦略的な成功です。戦略的、というのは小手先の宣伝で参加者を確保するのではなく、各部活や団体が十分な体制を構築し、その体制によって各企画が成功していくような状況を指しています。

 これまで、同期会の発展速度は時間単位から日~週単位に鈍化しています。これは組織の成熟に伴う正常なものですが、勢いに頼れない分、運営として長期目標を持った、各メンバー、部活動代表の速度感に合わせた関わりを行っていきたいと考えています。

第3期

  • 期間:ハーフアニバーサリー~アニバーサリー
  • 課題:外部との交流、同期会としてホストになる各種イベント
  • 目標:VRChatコミュニティに対する貢献、外部公開による参加者確保

 同期会はマクロなスケールで見た時に右肩下がりになる運命を持っています。その対策は同期会の外部化に他なりません。
 同期会の各種部活等がイベント主体となり、外部に解放されたイベントを執り行うことで、新規の参加者を継続的に得ることができ、活動のマンネリ化を防げます。
 また、外部に公開することで、目標が生まれ、洗練されるのではないかと考えています。
 これらはVRChat日本コミュニティに対する貢献という価値に直結します。
 冒頭の価値と利益でも述べましたが、同期会を含め、現在のVRChatは多数の先達が用意した仕組みによって構成されています。1月同期会として、そうした歴史的文脈を尊重し、引き継ぎ、貢献していくことが求められているのではないかと考えます。

 外部化を進めるための方法は色々あります。まずは各種イベントの立案と成功によるロールモデルを運営が構築すること、そして外部イベントに挑戦するメンバーを個別支援の二つがあると考えています。
 メンバーに対する個別支援は、まだコミュニティに対して何らかのアクションを行っている方が少ないため控えるとして、ロールモデルの構築はまさに同期会第3期を迎える運営が持つ宿題にもなっていくのではないかと感じます。
 イベント飽和時代を迎えているVRChatですが、選択肢の提示こそ、豊かさの指標であると信じて活動できれば良いのではないかと考えます。

第4期

  • 期間:アニバーサリー~セカンドアニバーサリー
  • 課題:部活動のコミュニティ化、同期会運営の維持
  • 目標:それを選択した部活動は自然な形で同期会派生の外部コミュニティとなる、同期会としての体を保守していく

 1月同期会は「経緯」となりメンバーの意識に溶けていきます。同期会から派生した各種コミュニティ(元部活動)がそれぞれに活動を広げていく姿はまさに巣立ちを迎えた鳥たちです。
 ですが、月に1度の同期会イベントは変わらずそこに存在しています。
 各種イベントの主催やスタッフとして日々翻弄されてるメンバーが一同に介し、あるいは同期会をしっとりと守ってきたメンバーが集い、これまでとこれからを語り合います。
 同期会は実家であり、VRChat人生における唯一無二の場所です。
 同期会があるから挑戦できる、同期会があるからVRChatへ月に一度はログインする。そんな場所になることができたら、1月同期会はコミュニティとしての成熟と完成を迎えます。

最後に

 これはあくまで24年1月主催の、2024年4月27日時点の、考えです。

 重ねて言うことになりますが、私は同期会メンバーの全ての遊び方と考えを尊重し、敬意を払って接します。なぜなら、それが同期会の存続という使命に繋がると考えるからです

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