2024年春クール感想まとめ

アニメ

今期に見てた作品の感想まとめです。MVPは夜のクラゲは泳げない6話です。
紹介順は僕の好みにあっていたかの順番です。

夜のクラゲは泳げない

こういうのでいいんだよ、こういうのこそあるべきだよ、と思わせてくれるジュブナイル文学みたいなアニメです。

今期は『学園と青春の物語』、ブルーアーカイブが放送されていましたが、この作品はまさにブルアカ宣言を体現するかのような作品です。

友情で苦難を克服して、努力が貶されなくて、幼稚であっても、最後にみんなが笑えるような物語。最後は、みんなが幸せになる物語。
この物語は、そんな、平凡なアニメです。

 現代社会の綺麗なところ、そして汚いところをちゃんと描きながら、どこまでも純粋に、直球に、脚本が一歩一歩進んでいきます。

もっとお金の掛かったアニメも、売上げの良いアニメも、話題なアニメも、CGが美麗なアニメも、界隈にとって意味と意義が深いアニメも、歴史的に名が残るであろうアニメも、たくさん、たくさんあります。

でも、だとしても、こういう芯の通ったアニオリ作品を大切にしたいし、大切にしていくべきなのだろうだと思わされます。

作中、バズと炎上を分けるのはそこに美学があるかないか、という話がありました。この作品はまさにその美学によって形作られた作品だと感じました。

もちろん、丁寧に張られた伏線、安定的な作画、アニメならではの演出といった点で、純粋に高い完成度を誇る作品です。ちなみに制作の動画工房は推しの子を作っている会社な訳ですが、推しの子が漆黒だとしたらこの作品は純白。

夏の青空に描かれた一筋の飛行機雲のような。

そういう馬鹿みたいにまっすぐな物語でした。

終末トレインどこへいく?

7Gなる技術によって魔境・終末世界と化した西武池袋線を吾野から池袋まで鉄道で旅する物語です。鉄道アニメということでそれだけでも希少価値がある訳ですが、個人的には駅ごとに展開される奇異な物語が、現代版銀河鉄道999といった印象を持ちました。ただ、物語のフレームは田舎と都市の対比、少女らの成長、モラトリアム、葛藤と和解、といった現代までに洗練されたもので、現代に生きる私達が見てもストレスはないかなと思います。そのあたりはとても丁寧にとげ抜きされているので安心できます。

なお、去年の春クール、ちょうど一年前に「魔法少女マジカルデストロイヤーズ」とかいう激やば進行のアニメが放送されていた訳ですが、カオスで勝負する終末世界アニメという点で似たところを持つ終末トレインを見られてよかったなとも思います。

(この魔法少女~、メディアミックスする予定だったなと思って公式ページみたら、ゲーム版サイトはSSL化なしの403表示ベタ打ちでした。色々あったんだろうなって)

なお、というかこれが重要かもしれませんが、監督は水島努さん。ガールズ&パンツァーで有名な方ですね。本作もその期待に応えるように着実な機械描写と、それからシュールとカオスの反復横跳びからなるギャグがありました。アニオリはやっぱりこうでなくっちゃ、という展開の連続で、監督の個性を味わう意味でもアニメ好きが好きなアニメでした。裏を返せば一般うけは難しいかもしれない、とは思います。

怪獣8号

スタジオカラーが怪獣デザインをしているアニメ。制作はProductionIGというお金と時間と期待が込められた作品でした。それに答えるかのように非常に安定して、そして高い品質で楽しませてくれました。

ウルトラマンに代表される怪獣作品の多くが巨大vs巨大、である中、等身大の人間とそれなりに大きい怪獣が戦う、という構図はゴッドイーターを彷彿とさせます。怪獣8号は討伐した怪獣を兵器転用して人間が武器に使う、という話がありますがそれもゴッドイーター的なシステムですね。

一方で、現実の都市で戦うという点は終わりのセラフ的な、そういう感じがあります。とはいえ、具体的に東京のどこか、という戦いはあまりないのでその点はご承知おきください。

エヴァンゲリオンに影響を受けてるんだな、という描写があちこちにありますが、まぁこれについてはそういう作品が数多存在するので言うに及ばず。ではありますが、アニメに限って言えばカラーが関わっているという意味で、注目はしておきたいところです。

こうした設定がありつつ、主人公は熱血系、というところにジャンプのエッセンスが多めに入っていました。

ということで、色々な作品の良い所、そして伝統の上に新しいアイデアを取り入れて進められる作品でありました。

惜しいなと思うのはこちらもエヴァに影響を受けた、のでしょうか。オペレータが存在していて、そしてかなり出演の割合が多い訳ですが、その役割が曖昧なところです。アニメではなく原作から、とのことなのでここで書くのは良くないかもしれませんが、任務を果たすというよりリアクション係のようになっている点は没入感を下げる要因になっていたように感じました。(上空で形成されていた巨大怪獣群を検知できない、「解放」には手続きがいるという設定なのに途中から毎回省略するのがまかり通っていた、援軍が駆けつけるときにスーツの使用状況等でモニタリングできるはずなのに前線の兵士と一緒に喜んでるなどなど、、)

続篇も決まった、ということで、ここはアニメオリジナルであっても改善して欲しいなと思うところです。

とはいえ、それ以外はとっても面白い作品でした!

宇宙戦艦ヤマト2205

劇場公開作品をTV版に再編成した作品。リメイクヤマトシリーズの作品として、純粋に新作として見ることができました。艦艇は3DCGを用いつつ、キャラクターの表情は劇画のような作画であり、宇宙空間を描いた美術ボードはセル画の正当進化形というところで、非常に美しいアニメでした。脚本は多々、意見があるかもしれませんが、少なくとも私は満足です。

アイドルマスターシャイニーカラーズ

今期の純然たるアイドル枠です。こちらも劇場公開された作品をTVにカットした作品。アニメというよりゲームシナリオのアニメ化、という印象が強かったです。というのもユニット単位で話が進んでいく都合もあって、一人一人について、もっと知りたい子もたくさんいるような形になっていたからです。ある意味、ファンのためのアニメという印象です。

とはいえ、12話という資源で、全てのファンを幸せにするためにはこれしかないので、適切に割り切られているとも言えて、流石、加藤陽一さんの脚本です。

なので、ファンでない私が論じるのはナンセンスな訳ですが、やや攻撃力に欠ける感覚があったのは否めません。減点要素があった、というより加点要素がなかった。直近のアイドルアニメがあまりにも高品質なものが多かった(絆のアリルとかもありましたが、まぁ総じて、概ね)、というところにも影響を受けている節はあります。

とはいえ、とはいえ、とはいえ!!!!!11話・12話のライブシーンはやべぇです。

2024年春クールのアイドルアニメ、ということは人類史において最新のアニメということです。それが、もう存分に活用されていました。モーキャプの活用で動きに誤差を出す演出は見慣れたものですが、シャイニーカラーズでは動きの癖をかなり強調していて、キャラの個性を強烈に演出しています。これは個人的に新しいなと思いますし、後続にも続いて欲しい要素でした。

そして、リアルを追求したライブ演出はアイマスIPの特徴ですが、一段と描写のレベルが上がっています。奈落での会話や舞台セット、アンコール待機時の化粧直しなど、まさにライブBDの特典ディスクを見ているかのような感覚です。音響もかなりこだわっていて、良いヘッドホンで、爆音で、聞くのがオススメです。アイドルのライブに行ったことがある方にはそうそう!となるはず。僕は泣きそうになりました。ポリゴンピクチュアズの見せた意地のようにも感じられました。

 

さて、シャイニーカラーズが置かれた文脈を整理すると、バンダイナムコによるアイマスIPの強化施策によって、シンデレラガールズのスピンオフだったU149がCygamesPitctures(超絶高品質なアニメだけを作る最強格のスタジオ)、伝説の初代765プロASの直系たるミリオンライブが白組(ゴジラ-1でアカデミー賞を受賞したスタジオ)、そして完全新作のシャイニーカラーズがポリゴン・ピクチュアズ(シドニアの騎士とか作ってたスタジオ)という布陣で継続的にアニメ化されてます。こうして俯瞰すると、シャイニーカラーズは目が肥えた状態で放送されるという、なかなか要求されるクオリティが厳しい環境で放送されているのが分かります。

ガールズバンドクライ

バンドリMyGoぶりのガールズバンドアニメです。バンドリの対抗馬として注目されていましたが、想像以上に対抗していました。MyGoからメンヘラを抜いた感じ、が一番近いです。

いわゆる上京物語に、モラトリアムと葛藤、成長と衝突、がかなり色濃く入っています。それを3DCGによる表現と、現代の社会問題、現実の商標の仕様でラップすることで2024年のアニメにしている、という感じがあります。

リアリティにこだわった作品という印象もかなりあり、東京ドームシティホールなど、行った事がある人にはあ~~~そうそう~~~!!となる描写がたくさんあります。

このガールズバンドが頓挫したら人生が詰む人がそれなりに加入しているというところ、そして社会のしかたなさに対してとことん反抗していく、という部分はバンドではなく、ロックを表現していて、その美学は唯一無二だなという風に感じます。

ある意味、このバンドではなくロックをちゃんとやる、というのはバンドリにはない独自性でもありました。

EDでMVをフル尺で流す演出は、これからもっと増えていきそうですし、メディアミックスをちゃんと考えている、という制作委員会の戦略が感じられてこれからも楽しみです。

ではなぜこの好み順かというと、私がこういうコテコテの青春物語が苦手、というだけです。そうでなければ1、2位の完成度の作品でした。

ひみつのアイプリ(未完)

アイプリIPのはじめてです。テレ東の女児向けアイドルアニメです。

ここに価値の全てが集約されている訳ですが、アイカツよりもやや対象年齢は低めで、ギャグ寄りな感じです。

個人的にはみつきちゃんの衣装がパンツスタイルなのがとってもえっっって感じでよきよきでした。あと、ガチ百合とか、嫉妬曇らせとか大きいお兄さん向けの展開もそれなりにあって毎週楽しみにしてる作品としては一番かもしれないです。

主人公陣は経験を積む最中の声優さんといった感じですが、先輩陣に目を向けると、徳井青空さんに和多田美咲さんと、超絶安心感のある人がいるのも興味深いポイントです。謎の少女枠で久保ユリカさんもいますし、なかなか安定感がある布陣です。アイプリはまさにコメントが捗る作品、ということでいわゆる「ニコニコアニメ界隈の文脈」といったものが豊富にありますが、コメントありの方が楽しめる作品かなとも思います。

あ、あとOPがP丸様です。すっごってなりますけど、かなり雰囲気と合っていて素敵です。テーマがバズりなので、そいった意味でも現代の女児層にうけるキャスティングなのかなとか色々思います。

わんだふるぷりきゅあ!(未完)

直近12話の感想です。追加戦士の扱いが丁寧なのと、必殺技が露骨じゃないところとか、かなり既存のプリキュアフレームワークに生じていたストレッサーに対策を施している印象がやはり大きいです。動物モチーフというところで、各話のマンネリ防止も比較的上手く効いている印象ですし、ギャグもほどほどに入れられている感覚があります。犬っこと猫っこという性癖を子どもに植え付ける作品、、?というのは感じますがたぶん気のせいです。

それはそうと、早くキュアワンダフルとキュアフレンディのばかえぐい濃厚獣プラベなかよし同人誌を味わいたいですね。

キュアワンダフルは頭が弱めなカワイイ子なので、

『いろはーー!なんかよくわからないけど頭がぽわぽわしてうれしい気持ちがする……。これがばかえぐい濃厚獣プラベなかよし!?もっとたくさんしたいけど、それって悪い子になっちゃうのかな……』

『ううん。そんなことないよ。気持ちよかったんだね(あたまなでなで)。じゃあ……』

みたいなのやって欲しい。

にじよん あにめーしょん2

ファンのためのお遊び5分アニメなので、これを真面目に論じてもしかたなし、というところです。気になる方はラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の1期を見ましょう。

2期を見ても、劇場公開OVAを見ても、にじよん1期を見ても、どうせ今期のこれは理解できないので、、

まぁ虹ヶ咲はラブライブIP初となる劇場三部作による完結編の制作が決定しているので、(ガルパン形式になる可能性も大なので不安は募るばかりですが、)気になった方はぜひぜひ。

ちなみにラブライブIPは色々ありますが、始祖の初代、楽曲のサンシャイン、演出の虹ヶ咲、映像のスパスタという感じの印象があります。

ゆるキャン3

これはアニメなのだろうか、、という疑問と共に見始めましたが、新しい方法で作成されている、新機軸な作品でした。

あ、結論は「これもまたアニメ」です。

キャンプブームの火付け役、聖地巡りも盛んに行われる作品な訳ですが、現実の写真をアニメ風に落とし込んで、その上でキャラを動かすという方法で画作りされているところが多く純粋に興味深かったです。

ブルアカ

終始、どこかチープな印象が拭えない難点が続いてしまった感覚がありました。

国内ソシャゲの王が迎える待望のアニメ化というハードルの高さ、そして2024年春クールという大豊作期での放送というライバルの強さも相まって厳しい戦いだったのが惜しまれます。

とはいえ、各キャラが動くという点、そしてアニメ化をした、という魅力とステータスはファンにとって代えがたい魅力があったはず。制作はYostarPicturesとキャンディボックス。ヨーピクはアークナイツを単独制作し、圧倒的な品質で感動させてくれました。その実力を踏まえると実際はキャンディボックスが制作の大部分を占めていたのではないかと思います。

とすると、今回は制作委員会の政策的な部分も気になるところです。

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